工事進行基準-その3 「見積精度の向上と進捗管理」
来年4月「工事進行基準」の施行に伴い、進捗率の定義の明確化と見積精度の向上が求められる。
契約形態を、要件定義は準委任契約(成果目標が明確に確定されていないため)、受託開発業務は請負契約、保守業務は保守契約と区分することで見積精度の向上が期待できる。
これまで、お客様から仕様追加および仕様変更があってもリスクを含んだ見積契約金額で吸収してきた。
今後は、その都度見積をして別予算で契約管理していかないと、進捗管理が出来ないし、見積精度も低下する。
さらには、パートナー企業の見積契約金額を、どのようにして進捗率を測定し進捗管理していくかという課題が発生する。
いづれにしても、来春の施行開始まで時間は限りがある。
急ぎ準備に取り掛かざるをえない状況であることは疑う余地もない。
見積精度の向上と進捗率の向上による進捗の自動測定が今後は不可欠となる。
2008/12/5 Fri
1分と1円
最近のニュースで円高が大きく取り上げられている。
為替が1円高くなれば、何千億円という利益の損失を被る企業もあり、輸出大国、日本としては、何とも頭の痛い問題である。
このような時期は、原点に戻りファンダメンタル(根元的)な物の考え方が大切である。
社員1000人、一人当り社員の平均時間コストが6000円(1分500円)の企業A社があるとしよう。
仮にA社で、ロス時間が1分発生すると10万円、1時間で600万円、月間10時間のロス時間で6千万円、年間で何と7億2千万円の損失になる。
時間を円に換算していくことで、本質的な問題が見えてくる。
企業には2つの利益があると言われている。①業務改善による利益創出②売上増による利益である。
「時は金なり」の諺どおり時間とお金は、企業成長には欠かせない大切な価値そのものである。
これからは1分と1円を大切にする企業こそ、勝者となり飛躍していく企業である。
ロス時間を測定し、削減していくことで企業経営品質は確実に向上していくであろう。
2008/11/4 Tue
工事進行基準-その2 「ロス時間の測定」
アイナスでは、社員は自社の日報システムに作業時間の予定と実績を毎日記録している。
今年に入り実績に「ロス時間」の計上を行うようにした。
なぜ「ロス時間」の計上を行うようになったか?
その理由は①本人②メンバー③お客様とのコミュニケーションスキルおよび技術スキル不足により余分な工数が発生したことに起因する。
ロス時間を実績に計上すると、予定と実績の差異が出る。
その対策としてアイナスでは「ロス時間」は実績に入れないことにした。
社内でのコミュニケーション、時間意識の向上により時間品質を上げることを目的とした。
工事進行基準では、売上(予定出来高/実績出来高)原価(予定原価/実績原価)進捗(割合)が基本要素となる。
進捗率によって売上(出来高)が計上される。
売上-原価=利益となれば、利益を上げるには①見積精度の向上②原価の縮小③進捗率の向上の3つが必須条件となる。
原価=時間であれば、いかに時間を大切に使うかがポイントである。
「時間ロスの測定」は時間品質の向上と業務改善を目的としている。
今後は、さらにリアルタイムに「進捗」「ロス時間」を把握しPDCAによるマネジメントを目指したいものである。
2008/10/1 Wed
工事進行基準
来年4月からソフトウェア業界を対象に施行される。
さらに3年後の2011年には国際会計基準として統一される予定である。
工事進行基準は、会計の透明性を図るために決算時における「仕掛」を失くすことを目的としているそうだ。
今までは、工事完成基準であったために業務終了時に売上を計上した。
来年4月からは、売上はプロジェクトを受注した時点で発生し月毎の進捗率に応じて計上していくようになる。
よって進捗と原価が連動する仕組みが必要となるであろう。
そうなると進捗と出来高工数・実績工数の関係はどうなるのだろうか?
マラソンに例えると、1キロを3分で走っていくと20キロ地点での予定通過時間はちょうど1時間となる。
しかし予定通りにいかず1時間9分かかったとしよう。
結果的に1時間9分が実績工数となれば、当初予定の1時間の経過した約17キロが出来高工数となる。
進捗率は、17キロ(出来高) ÷ 42.195キロ(ゴール) = 約40% となるのであろうか?
進捗売上と原価・粗利が連動し、従来までの表計算ソフト・グループウェアではできないリアルタイムの現状把握ができるようになれば、そのデータを基に毎月のPDCAが可能となる。
2008/9/1 Mon
予定と実績
大海原を船が、好天に恵まれ順風に航海すると思いきや、突然大嵐に遭遇し予定どおり行かない場合もある。
仕事も同じである。予定どおりに進んでいた業務に、急な割り込みが入り予定と実績のギャップが生じることが多々ある。
弊社アイナスでも、プロジェクトが発生すると納期までの予定(工程)を立て、予定どおりに業務が進むことが望まれるが、時として予期せぬ不測の事態が起こりうる。
では、予定に実績を近づけるには?予定に対し予めリスクを含めた計画を立てられるかがポイントになる。事前にリスクになりそうな情報収集を行う等の見積技術の精度が求められる。
成功するプロジェクトは、見積精度を上げた予定と実績の差異をリアルタイムに時間測定し、分析改善できることが必須条件となる。
プロジェクトを成功に導くには、プロジェクト全体およびプロジェクトの個々のメンバ-の予定と実績の差異をリアルタイムに分析改善する「現場」「標準化」「シンプル」がキーワードとなってくる。
2008/8/1 Fri
WHYとHOW
5WHYという言葉を最近よく耳にする。本質的な原因が分からないと、根本的な課題改善につながらない。
問題の原因を浅く掘って改善しても、表面的には課題改善したよう見えるが、後で後戻り的に課題が再発する。
我々日本人は、欧米人と比較するとこのWHYの掘り下げが浅いまま、すぐに改善しようとする方向に進みがちだ。
逆に、欧米人はWHYに対し、徹底した議論を行い多くの時間を費やし過ぎて、HOW(どのようにして改善するか?)に 辿りつくまでに時間のロスが発生しがちだ。
文化の違いもあるが、WHYとHOWのバランスがポイントになる。
因果の法則では問題の原因をはっきりしないまま行動すると、不十分な結果(成果)しか出てこない。
逆に問題の本質的な原因を明確にして行動すれば、十分な結果(成果)がでてくる。
業務で生じるWHY(原因課題の発見)とHOW(改善方法)で改善行動→成果の一連の流れをシステム化できないものだろうか?
WHY+HOW+改善行動=成果
2008/7/1 Tue
コミュニケ-ション
企業における問題の約70%は、コミュニケ-ションにあると言われている。 企業の経営資源の最たるものは「人」である。人と人との集合体が企業とすれば、コミュニケ-ションは伝える人と聞く人との「対話」により成り立っている。
「対話」の目的は、話し手が伝えたい「意味」を聞き手に正確に伝えることである。 しかし、この問題は企業では、思うようにうまくいってないのが現実である。
その本質的な問題が二つある。 第一に、話し手と聞き手との間で「話の前提条件」ができているか、否か?である。第二に、話し手が伝えたいという「意味」を聞き手がしっかりと受け止め、意味が通じたか、否か?である。
弊社アイナスでは「聞き手」が「話し手」の話した内容を「○○さんの話していることは ○○という意味で理解していいですか?」と確認するようにしている。コミュニケ-ションの主役は聞き手となる。聞き手の方が、話し手の意味を客観的に捕らえるからである。 「話し手との前提条件の共有化」と「話し手との間にある意味の共有化」等の傾聴力がコミュニケ-ションをよくする重要なポイントになる。
人+情報+時間=定量化されたコミュニケ-ション
2008/6/2 Mon
時間のものさし -パート2
陸上のアスリートは、過去の自分の記録との戦い、さらには、他者に勝つための競争もある。
過去の自分との戦いを「絶対評価」とすれば「相対評価」は他者との競争となる。
企業で仕事をする上でもまったく同じようなことが言える。企業で日々の業務を「時間のものさし(業務標準化)」で測定していくと過去と比較した生産性の度合いが見えてくる。
「時間のものさし」をさらに進化させていくと、効率性が求められてくる。効率性は時間の使い方、業務の手順等の工夫が必要になってくる。
生産性を時間の量とすれば効率性は時間の質の向上である。時間の使い方を工夫した結果として、有効性(意義ある仕事)が生じる。生産性、効率性、有効性が一体となって成果となる。
これからの企業の成長は時間の使い方、そして「時間のものさし」があるか否かで決まる。
「時間のものさし」はこれからの企業の必需品である。(業務時間を測定⇒業務標準化)
2008/5/1 Thu
時間伝票
会計では予算(計画)に対し、日々使った経費(コスト)を数字で集計していくために伝票整理という業務がある。毎日、伝票入力し、細かく使った経費を勘定科目毎に分類集計していくと月末には大きな数字となっていく。よくよく考えてみると、時間も同じことが言えるのではないか?
細かく使った時間を集計していくと大きな時間になっていく。 コストという点では使ったお金も時間も経費ということではまったく同じである。企業は売上に直結する時間(オーダー)と売上に直結しないオーダー外の時間(会議、事務処理等の時間)がある。
時間の伝票を入力することで、細切れのオーダー外の時間を何に使うかが見えてくる。 実はこのオーダー外の時間を上手に使うことが今までの時間のムダを省き、利益を左右してくるポイントになってくる。
ムダな時間を省くために、時間伝票をつける習慣を企業文化にすることが企業の将来の発展につながることは疑う余地もない。
2008/4/1 Tue
時間の物差し
人間に平等に与えられたものの一つに「時間」がある。人生では人が生きてる時間が命である。仕事では今日一日、自分が何に時間を使ってどのような成果を上げたかが問われるところである。
仕事で使った時間を分析してみると、自分を知ることが出来て面白い。自分が立てた計画と予想した成果が一致しないことが生じることがある。まさに「計画どおりにいかない!」ということである。では、何故、計画どおりにいかないのか?
計画とは、自分の経験を基に立てることが出来るが、経験していないことは、計画が立てづらい。計画どおりに進むには、自分の経験を予め分析して、この仕事はこれだけかかるという時間を図る「時間の物差し」があれば便利である。
企業では、この物差しを「業務標準化」という言葉で表している。まず、業務の棚卸を行い、過去において、どの業務に対して、どれだけの時間を使ったかを分析することからすべてが始まる。
過去の業務を分析して業務標準化を行うことが企業の生命線となる。
2008/3/1 Sat
LEADERとは
会社には大小を問わず、必ずリーダーが存在する。会社の舵取りをする社長はリーダーの最たるものである。弊社アイナスのようなITベンチャー企業には特に、リーダーは重要な位置づけにある。リーダーしだいでプロジェクトが成功するか否かとなる。
アイナスは「PM-BOX」というプロジェクト管理者が使用するツールを開発した。リーダーが育てば、会社も育つ。
では、リーダーを育成するためには、どうしたらいいのであろうか?
そもそも、リーダーとは何か?皆さんといっしょに考えてみよう。
LEADERとは・・・・・・・
L |
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A |
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●危険を回避する |
2008/2/1 Fri